大判例

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東京高等裁判所 昭和42年(ネ)2892号 判決

控訴人が前記機械類のうちアリアンズ一台を右昭和三九年二月六日から使用できなかつたことは当事者間に争いがなく、右争いのない事実に、原審証人斎藤智徳の証言(但し、後に措信しない部分を除く)及び前示控訴人本人尋問の結果を合せ考えると、右アリアンズ一台は前記契約締結前から修繕のため訴外有限会社理化の保管するところであつたこと、控訴人は右契約締結について折衝中このことを知り被控訴人代表者に確かめたところ、右二月六日までに修理を終り本件建物部分に搬入備付けるとのことであつたが、右契約締結後もその履行がなかつたこと、右のアリアンズは婦人物の靴の内側を縫う機械であつて控訴人が本件建物部分においてする靴の製造にとつては必須不可欠のものであり、これがないため控訴人は右機械による工程部分を付近の同業者に依頼せざるを得ない次第であつたので、右二月六日頃から同月二五日頃までの間、しばしば被控訴人に対し口頭で直ちにこれを備付け使用し得るようにするべく催告を重ねたこと、被控訴人は右催告にもかかわらず、これが履行をしないので、控訴人は本件建物部分においては所期の営業成績を挙げることが出来ないと考え、遂に同月二八、九日頃被控訴人に対し口頭で前記契約を解除する旨の意思表示をしたことを認めることができ、右証人斎藤智徳の証言のうち右認定に反する部分は措信せず、他にこれに反する証拠はない。右認定の事実によれば、被控訴人が控訴人に対しアリアンズ一台を使用させることのできなかつたことは、被控訴人において前記契約の債務の本旨に従つた履行をしなかつたものというべく、右契約は被控訴人の右債務不履行により、昭和三九年二月二八、九日頃控訴人により適法に解除されたものと認めるべきである。

(岡部 川上 大石)

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